■タイトル
Does participation in municipality-initiated incentivized health promotion programs promote physical activity among the physically inactive? Verification in six Japanese municipalities
■概要
身体活動の促進は,高血圧性疾患や糖尿病といった生活習慣病予防に有益な影響を与えることが既に知られている。しかしながら、身体的不活動者は3割と依然として少ないのが現状である。従って,今後は,身体的不活動者に対して、身体活動を促進させるための新たな取り組みが必要であると考える。
本研究は、人口規模が異なる自治体主導型のインセンティブ付健康づくり事業に参加した40歳以上の中高齢者を対象として、事業参加前の身体的活動群と不活動群に分類し、
①参加前から18ヶ月目で平均歩数は増加するのか、②平均歩数が増加した場合、その増加には金銭的インセンティブが影響しているのかを明らかにすることを目的とした。
事業に参加した中高齢者のうち、性別、年齢、参加時に選択したインセンティブの種類、歩数データを有する5,688人を分析対象とした。
インセンティブの種類は、地域限定で使用できる地域商品券、全国の百貨店やコンビニエンスストア等で利用できる全国商品券と共通ポイント、
寄付としたインセンティブの金額は年間で最大24000円分獲得できるよう設計した。
身体的活動群と不活動群ともに、参加前より18ヶ月後で平均歩数が有意に増加した。金銭的インセンティブの有無別にみた場合、金銭的インセンティブを選択した者は、非金銭的インセンティブを選択した者と比べて18ヶ月後の平均歩数が有意に多いことが確認された。
インセンティブ付健康づくり事業に参加した中高齢者において、身体的活動群と不活動群のどちらも18ヶ月後に平均歩数が有意に増加していた。加えて、歩数増加には金銭的インセンティブが影響している可能性が示された。